◆32番(河野みどり君)質問通告の順に質問をさせていただきます。
 まず最初に、狂牛病問題についてです。狂牛病が日本で発生したことで国内に大きな衝撃が走り、消費者はもとより、畜産農家などに多大な影響を及ぼしています。ただでさえ深刻な不況の中で、牛肉消費の落ち込みは市場価格の暴落にはね返り、日本畜産の存亡の危機とも言える状況です。農水省が風評被害を広めた張本人というふうに農水省の専門家が指摘するほど、狂牛病に感染した牛を焼却したと発表し、数日後には、肉骨粉に加工され、徳島の業者に渡ったと訂正するなど、後手後手になった防疫対策など、失態に次ぐ失態に国民の不安はなお一層広がりました。
 この狂牛病問題については、既に昨年12月4日に開催されたEU農相理事会特別会合で、ことしの1月1日からの肉骨粉の家畜市場への使用禁止が合意されていました。また1月26日には、国連食糧農業機関、FAOが世界各国は狂牛病に注意を払うとともに、危険を削減し、防止する行動をとるべきだと警告を発していました。しかし、日本の政府はこれを全く無視してきましたし、12月8日のマスコミ各社は、1996年に肉骨粉を法で禁ずるべきだという専門家からの指摘を受けていたのに放置をしてきた、こういうふうな報道もされています。本当に国の責任は重大だと言わざるを得ません。また、問題の肉骨粉が徳島市の化製場に持ち込まれ、そこから飼料や肥料として販売されていたのに、県当局は正確な情報を県民に公表しないなど、ずさんな対応によって、なお一層不安と不信を募らせたことの行政責任を非常に厳しく問われるものだと思います。消費者への不安を解消し、一刻も早い安全対策や県下にある酪農家への補償対策を万全に講じなければなりません。
 そこでお伺いをいたしますが、徳島市は既に狂牛病対策本部を設置しておりますが、どんな対応をされているのでしょうか。また、農家への補償問題に対し、本市独自の考え方はあるのですか。今、農家では牛の出荷ができない、出荷してもただ同然の価格だ、破棄したくても狂牛病が怖くて処分ができないなど、戸惑いや不安が募っています。個々の農家の実態把握はできているのでしょうか。国は狂牛病対策として緊急融資を実施しておりますが、相談者はあるのですか、答弁を求めます。
 次に、前段でも述べましたように、国連食糧農業機関、FAOは、日本で狂牛病が発見される前から、化製場などレンダリング産業及び廃棄物処理の監視が必要だと警告を発していました。屠殺の手順、くず肉、副産物の加工・利用に注意を払うべきだと述べています。しかし、日本国内では全くこの警告を無視し、今回の事態を引き起こしたわけですが、この問題を契機に、徳島化製場がどのような原料を加工し、肉骨粉などを生産するのか、その実態を市民の前に明らかにすべきだと思います。
 11月10日付週刊誌「東洋経済」に掲載された記事ですが、徳島化製場の問題を取り上げています。そこには、行政はなぜこれほどまでに一民間業者に肩入れをするのか、しかもやみ補助金と一部から指摘されるような不透明な制度まで創設してまでだ。狂牛病騒動を契機に、国は肉骨粉の買い上げなど業者支援を検討している。そういう時期だからこそ、徳島化製場への支援が金額やその経緯において妥当なものであるのか、改めて議論がなされるべきではないだろうか、このように報道しています。
 この徳島化製場については、既に平成4年から破格の無利子融資について、本市議会で大議論になり、いわくつきの企業という印象が市民の中に深く刻まれています。そもそも徳島化製場は、昭和53年に高度化資金8億円を国・県から融資を受けています。この高度化資金というのは、同和事業の一環として地域改善事業の特別枠であることは、私どもの調査で国や県が既に認めておりますが、この同和高度化資金が返済できないということで、県と市が肩がわりして3億6,000万円を無利子で貸し付けました。ところが、この県・市協調融資の返済が始まる平成4年になって、総事業費94億円、そのうち、県・市協調融資として14億円を要求してきました。しかし、1回目の同和高度化資金を肩がわりをしたことで、2回目の融資について大変疑惑が生まれ、市議会で大問題になりました。徳島化製場の経営実態もわからないまま、破格の融資を認めさせようとする県や市当局の姿勢は、今振り返ってみても本当に異常な対応でした。結局議会で追及され、94億から約48億円に減額したものの、県・市協調融資として、平成5年度から平成7年度にかけて9億7,800万円が貸し付けられています。その返済が来年の平成14年度から始まる予定です。このように破格の無利子融資を2度も引き出し、いまだにその経営実態も不透明な企業に対し、3億円の補助金が支出されていることが9月の県議会で我が党県議の追及で明らかになっています。この補助金は、同和高度化資金の返済額に相当するもので、既に平成12年度までに18億円が支払われており、平成27年度まで出し続けるとしたら、この資金で県・市協調融資と同和貸付金の全額が返済されることになります。
 こうした補助金制度について全く県議会には報告がなかったことから、やみ補助金、あるいは借金返済のための肩がわりかなどと「東洋経済」の記者は報道しているわけです。
 この徳島化製場の子会社が、今回の狂牛病感染源と言われている肉骨粉を生産し、徳島化製場に持ち込み、販売したことで、全国からも注目を浴びているだけに、化製場の経営実態を市民の前に明らかにするのは当然のことだと考えます。徳島化製場は代表理事が岸小三郎氏で、昭和62年に産業廃棄物処分業の新規許可を得ています。産業廃棄物の種類として、有機性汚泥、家畜の死体、動植物性残渣などを加工して、肉骨粉や飼料等に商品化しています。この化製場と直接取引をしているのは徳島市の食肉センターと東部環境事業所です。
 食肉センターの場合ですが、この施設は家畜を食肉用に解体した後に排出される汚物処理を化製場に全面委託しています。これらの汚物の処理委託料は、平成12年度で約1,700万円となっておりますが、今までに総額幾ら支払ってきたのか。また場内には可燃物と汚物の二つの焼却炉がありますが、昭和63年に新設してわずか2年で汚物の焼却炉を休止させて、徳島化製へ処理委託した理由を明確に説明していただきたいと思います。さらに、食肉センターから排出される汚物等が化製場でどのように処理されるのか、説明を求めておきます。
 次に、東部環境事業所の場合ですが、犬、猫の死体処理を一般廃棄物として回収して、それを化製場に処理委託しておりますが、その委託した理由と、処理料は年間幾らで、今までに支払った総額と化製場はその犬、猫をどのように処理するのか説明を求めます。
 さらに、私は今回の質問に当たりまして、市が徳島化製場に処理業務委託をしている犬、猫の扱いや汚物等について、化製場法やあるいは廃棄物処理法を調べてみましたら、二つの法律の共通点、これはだれがお金を払ったのかが最大のポイントだということがわかりました。例えば犬、猫の死体処理で言えば、徳島化製が原料としての死体を金で買うのではなく、市が処理料を払って引き渡しているわけです。廃棄物処理法に照らせば、市がお金を払ったら処理委託になるので、一般廃棄物許可業者でなければ、これを処理することはできません。しかし、徳島化製業者は、一般廃棄物の許可は持っておりませんから、この行為そのものが廃棄物処理法違反になるのではありませんか。さらに化製場法では、徳島化製業者が金を払って原料を買うことが前提となっておりますから、市から金をもらうのはおかしな話ですし、動物愛護法に基づく犬及びねこの引取り並びに負傷動物の収容に関する措置要領を見ましても、ただし書きの中に、「化製その他経済的な理由に供しようとする者へ払い下げる場合」というふうに書いておりますから、市が金を払うというのは、措置要領にも反する行為ではありませんか。納得のいく説明を求めます。
 次に、同和行政について質問をいたします。
 1997年3月末で、地域改善財特法が失効し、同特法施行以来、約30年間にわたる特別措置法体制に終止符が打たれ、残務処理として一部の事業、施策について講じられた経過的措置も原則として来年3月末をもって期限切れを迎えます。政府は、これまで特別措置法のもとで、約16兆円の巨額を費やし、全国4,603地区に対して同和対策事業を実施してきました。その結果、劣悪な住環境が改善され、部落問題解決にとっても大きな役割を果たしてきました。しかし一面では、同和地区を線引きし、同和事業を進める過程で同和地区を分離・隔離することにもなりました。特に解放同盟などによる不当な要求による不公正乱脈な同和行政によって、極端な逆の格差が生まれるなど、周辺地域を初め、市民全体から反感が生まれ、批判が高まる結果となったり、あるいは特別措置による個人施策への依存が深められ、自立を阻害し、働く意欲を後退させる状況をつくり出し、このことによって、同和行政自体がゆがめられただけでなく、部落問題解決にとって阻害要因になったことは全国の例からも明らかです。しかし、これまでの間の部落住民自身の努力、部落解放運動の取り組み、同和対策事業の実施、国民的理解の広がりによって、今日、部落問題解決の最終段階、総仕上げの局面を迎えています。本市は県下の自治体に先駆けて同和特別対策を終了するという意思をはっきりと示され、運動団体への補助金、委託費の廃止などは本当に評価に値するものだと思います。
 しかし、県の態度があいまいなために、対応に苦慮している事業もありますが、私は、特別対策事業を継続する法的根拠は失っているのですから、県の懇話会や県当局の考え方がどうであれ、事業の継続は絶対に許されるものではないと考えます。徳島市の主体性を発揮して、県の動向にかかわりなく、すべての特別対策を終了させるという姿勢を貫くべきだと考えますが、本市の見解を改めてお伺いいたします。
 さらに、事実上の地対財特法完全失効する今年度末までに、徳島市が費やす同和対策事業の総額は幾らになるのか、またこれまでの取り組みの総括など、報告をお願いしたいと思います。さらに、特別対策事業のために線引きした同和地区指定、これを事業の終了と同時に廃止するべきだと考えますが、本市の見解を求めます。また、同和地域を対象とした固定資産税の需給事情による減点補正、いわゆる同和減免は今後どうするのか、お答えください。
 次に、同和加配教員の問題ですが、市内で指定校はどれだけあるのか、そこに配置されている同和加配教員の状況の説明を求めます。また、来年度から同和加配はどのように対応するつもりなのでしょうか。既に11月20日、参議院文教科学委員会において、我が党議員の質問に対し、同和加配は今年度で廃止する、来年度以降は同和地区に限定しない児童・生徒支援のため加配する、このように答弁しています。それを踏まえて、本市の考え方をお伺いいたします。
 また、部落差別をなくす等人権を守る条例、これを平成14年3月で廃止する、新たな人権条例を検討するということですが、私はそのような条例は必要ないと考えます。6年前に制定された現行条例は、解放同盟の人権じゅうりんの激しい暴力的圧力によって制定されたものです。私たちは、この条例が部落差別の解決を阻害し、同和地区を固定化するものだと厳しく批判し、撤廃を求めてきました。解放同盟などのねらいは、国の特別法が失効した後も、地方自治体に対し同和行政の継続を目的としたものであることは疑う余地もないからです。こうした過去の経緯からしても、現行条例と本質的に変わらないものであるなら制定すべきではないと思いますが、本市の見解を求めます。
 それぞれ御答弁をいただきまして、再問をさせていただきます。
          〔経済部長 本田 司君登壇〕